導入シーン
店舗ネットワークをLysoraで構成する場合、何を分けて考える?

店舗では、レジ・決済、業務用端末、来客向けアクセス、カメラなど、用途の異なる通信が同じネットワーク基盤を利用します。通信が止まったときの業務への影響も異なるため、機器を比べる前に、どこまで分けるかを決めます。Lysoraは、ルーター、スイッチ、無線LANアクセスポイントとLysora Cloudで、その構成を組むための選択肢です。分ける範囲と、複数店舗で揃える範囲に合わせて製品を選びます。テクリアスはLysora製品の代理店です。
防犯カメラを含む店舗でも、カメラの画角や録画方式、NVR / VMS の選定は映像側の判断です。ここで扱うのは、その手前にある店舗のネットワーク側です。

店舗で先に分ける通信
同じ店舗の中でも、通信の性格は一様ではありません。止まったときの影響、扱う情報、通信量の傾向が違うため、まずどの単位で分けるかを決めます。

通信の性格と、分ける前に決めること
レジ・決済端末
通信の性格: 止まると営業に直結する。通信量は大きくないことが多い
分ける前に決めること: 接続方式(有線か無線か)、通信先、回線が使えないときの運用手順
業務用の端末
通信の性格: 商品管理・発注・勤怠など、業務システムへの接続
分ける前に決めること: 同時利用の台数、社内システムや外部サービスとの通信の向き
来客向けのアクセス
通信の性格: 提供する場合、業務側の通信と帯域を共有することになる
分ける前に決めること: 提供の有無、業務側とどこまで分けるか、来客に関する情報を扱うかどうか
設備側の機器(IPカメラなど)
通信の性格: 設置後に触る機会が少なく、給電と収容の条件が先に決まる
分ける前に決めること: 台数と給電方式、業務側と分けるかどうか、通信の向き
ここまでは用途の整理です。区画をいくつ作るかは、このあと決めます。
どこまで分けるか
分ける単位が決まったら、次はどこまで分けるかを決めます。ここは機器の機能ではなく運用側の判断です。
区画をいくつに分けるか
通信の性格ごとに分けるのが基本ですが、運用できる数を超えると、分けたこと自体が続きません。
区画をまたぐ通信をどうするか
業務端末から決済系へ、来客から社内へ。向きごとに許可するかどうかを決めて、はじめて分離の意味が確定します。
来客向けをどこまで開くか
提供するかどうか、業務側とどこまで距離を取るか、接続時に案内を挟むか。どれも機器の機能より先に決まります。
誰が変更するか
現地に技術担当がいない店舗では、変更の手順そのものが構成の条件になります。
通信を分ける構成では、SSIDやVLANを使います。どこまで分けるか、区画間の通信をどう扱うかは、運用要件と機器の対応機能に合わせて設計します。
来客に関する情報を扱う場合、その取り扱い方針はネットワークの構成とは別に決めます。通信を分けることと、情報の扱いを決めることは、別の作業です。
Lysoraが関わるネットワーク領域
店舗のネットワークで、Lysoraの製品カテゴリが受け持つのは次の3つの役割です。

ルーター / ゲートウェイ
回線との境界を担い、区画をまたぐ通信を制御する
機種を選ぶときの条件
回線の本数と種別、区画間で許可する通信の方向、本部側と接続する場合の条件

スイッチ(PoE給電に対応するものを含む)
有線側の収容を行い、必要に応じて設備側の機器へ給電する
機種を選ぶときの条件
必要ポート数、アップリンクの速度、PoEで給電する機器がある場合の総給電容量とポート単体の給電能力

アクセスポイント
業務用・来客向けの無線接続を提供する
機種を選ぶときの条件
売場のレイアウトと什器の配置、同時接続端末数、設置位置と給電の取り方
写真は各カテゴリの一例で、実際にどの機種を選ぶかは店舗ごとに変わります。
ここに挙げていない製品カテゴリが、店舗で使えないという意味ではありません。
Lysoraが店舗向けに示している構成例
Lysoraは、小売チェーン向けのソリューションとして、想定する課題と構成例を公開しています。以下はそこで示されている範囲で、全製品に共通する機能として示されたものではありません。
ソリューションでの記載: 対応ルーターでの複数回線の収容と自動切り替え
検討上の意味: 回線が使えなくなったときに、レジ・決済端末の通信を別の回線へ切り替える構成
詰めておく点対応する機器、切り替えの条件と所要時間、2本目の回線の契約。切り替え中にレジがどう動くかは、運用手順と合わせて決めます
ソリューションでの記載: VLANによる決済・CCTV・スタッフ通信の分離
検討上の意味: 性格の異なる通信を、同じ物理配線上で別の区画として扱う
詰めておく点対応する機器の構成。分離した後にどの通信を許可するかは別に設計します
ソリューションでの記載: 対応機器でのキャプティブポータルとバウチャーの発行
検討上の意味: 来客向けアクセスで、接続時に案内画面を出し、バウチャーで利用してもらう構成
詰めておく点対応する機器、表示できる内容、来客に関する情報を保持するかどうかとその取り扱い
ソリューションでの記載: アラートと一元管理ダッシュボード
検討上の意味: 店舗ごとに機器を個別に見るのではなく、まとめて状態を把握する運用
詰めておく点対象になる機器と構成。どこまで管理できるかはLysora Cloud側の機能によります
どの機器でどこまで設定できるかは、製品と構成で変わります。検討中の構成で必要な機能が使えるかは、機種ごとに見ていきます。
複数店舗で揃える部分と、店舗ごとに変わる部分
店舗が増えるほど、1店舗あたりの構成の良し悪しより、同じ手順で展開・運用できるかどうかが効いてきます。ただし、すべてを同じにできるわけではありません。

揃えやすいもの
区画の分け方と、区画をまたぐ通信の方針
店舗間で共通にしておくと、運用時の判断が単純になります
機器の役割の構成(境界、収容、無線)
ただし必要な台数と機種は規模によって変わります
店舗ごとに変わるもの
回線の条件
契約先、速度、2本目の回線を引けるかは立地によります
売場のレイアウトと什器の配置
無線の設置位置と台数はここで変わります
現地の体制
誰が機器に触れるかで、初期設定と障害対応の手順が変わります

Lysoraは公開情報で、ゼロタッチプロビジョニングによる初期設定の配布と、複数拠点をまたいだ管理、プロジェクト単位での管理を挙げています。現地に技術担当がいない店舗が多いほど、ここが展開時の作業量に効いてきます。
Lysora Cloud が管理するのは、対応する Lysora のネットワーク機器です。
Lysora Cloud の管理対象
- ゲートウェイ
- スイッチ
- アクセスポイント
ネットワークを使う側(管理対象ではない)
- POS・決済端末
- 業務用の端末
- プリンター
- タブレット
- 来客の端末
- カメラ
- NVR / VMS
これらはネットワークを使う側で、そのことで Lysora Cloud の管理対象になるわけではありません。
クラウドで何をどこまで管理できるかは、対応する機器と構成によります。
カメラを含む場合の境界
店舗にIPカメラが入る場合、ネットワーク側は通信と給電を受け持ちます。映像側の判断は別の領域です。
| 側 | 決まること | 扱う場所 |
|---|---|---|
| ネットワーク側 | カメラの収容と給電、録画先までの帯域、業務用と分けるかどうか、遠隔からのネットワーク状態の把握 | ここと、Lysoraで構成する防犯カメラのネットワーク |
| 映像側 | カメラの画角と画素密度、録画方式と保存日数、NVR / VMS の選定、閲覧の権限、機器そのもののセキュリティ要件 | 防犯カメラシステムの設計・選定ガイド |
カメラとNVR / VMS は、Lysora Cloud の管理対象ではありません。映像と録画の管理は、NVR / VMS の選定として別に決めます。
構成の概念図
1店舗あたりの構成要素と、複数店舗をまたぐ管理が入る位置です。

横にスクロールして確認できます
- 外部との境界
- ルーター / ゲートウェイ
- 店舗内の収容
- スイッチ(PoE給電に対応するものを含む)
- アクセスポイント
- 店舗内の通信
境界: 分ける場合は、この範囲で通信の区画を分ける
- レジ・決済端末
- 業務用の端末
- 来客向けのアクセス
- 設備側の機器(IPカメラなど)
- ネットワーク側の管理
- 対応機器のクラウド管理
並びを示す図です。すべての店舗にすべての要素が必要になるわけではなく、区画の数も、どの通信を許可するかも運用側の判断です。特定の製品構成を示すものでもありません。
日本での取扱いについて
テクリアスはLysora製品の代理店です。日本での導入で決めるのは次の3点です。
- 店舗の要件に、どの製品と型番が合うか
- 検討中の構成に必要な機能を、どの機種で満たすか
- 必要な数量と、導入を予定している時期
この構成に関わる製品カテゴリ
- Lysoraのルーター
回線の本数、区画をまたぐ通信、本部側との接続
- Lysoraのスイッチ
ポート数、アップリンク、設備側への給電
- Lysoraの無線LANアクセスポイント
設置位置、同時接続端末数、給電の取り方
メーカーを問わない技術情報
- ゲストWi-Fiと社内LANを分ける
SSID、VLAN、IPサブネットの役割と、分ける範囲の決め方
- 複数拠点のネットワークをどう選ぶか
管理方式、現地動作、障害時の役割分担
- 小規模オフィスのネットワーク構成
1拠点あたりの構成を組み立てる手順
- 防犯カメラシステムの設計・選定ガイド
カメラ要件、録画日数、NVR / VMS、ネットワークとPoEを決める順番
- Lysora Cloudとは
機能グループごとの内容と、日本国内での利用料金。
- Lysoraでオフィスネットワークを構成する
本部や事務所側のネットワークを検討する場合の、製品カテゴリと管理基盤の関わり。
次に進める先
店舗ネットワークの構成と製品選定について、ご相談ください。
検討中の構成と、決まっている条件があれば、あわせてお知らせください。
Lysoraで構成する防犯カメラのネットワークカメラを収容する構内ネットワークの給電・帯域・区画の分け方。